文化講座

第15回「童心を描く」 佐藤真菜 氏

2013-11-15

童心を描く

[洋画家]佐藤真菜 氏

bunka_15th_01

 平成25年11月15日午後6時30分から、第15回『楽しく真剣!「サルーテ文化講座」』が開催されました。司会の角秋勝治氏の講師紹介を経て女流画家・佐藤真菜氏の講演「童心を描く」がスタート。佐藤さんは自作品をプロジェクターで一枚一枚紹介。素直な言葉遣いで聴衆を魅了。講座は終始和やかな雰囲気に溢れていました。参加人員は68人。

 幼少のころから、画家である叔母 田中ひとえさんに影響を受けながら気が付くと自然と絵にかかわる道へ進んでいた。描いた作品をプロジェクターで一枚一枚紹介しながら、中学校の教員時代の子供たちとかかわりや、3年間の教育相談課での経験、或は、母の死を通して見つめた自分。
 地域の風習や出来事で体験した子供の頃におびえたり、傷ついたりした心象などを絵に込めてきた経過を話されました。それらの出来事から受ける風や空気や音を取り込んで絵にされている。
 作品「時を待つ」では、『しんどい事があっても必ずいつかただの事柄として過ぎ去る。だからこそ今を逃げず受けて立つ気持ちを込めた』とも。『まだまだ下手だけど』と飾り気なく話される人柄そのままに、人の弱さや心の奥を素直に表現した作品である。
 佐藤さんは、自分の気持ちから離れない場所で絵を描くということをしないとだめだ。また、その時々に感じたことをこの先も描いていくのではないかなと思うと、話されました。

bunka_15th_02

講師の佐藤真菜 氏


■佐藤真菜 ⽒のプロフィール

bunka_15th_03

中学校教員として勤務しながら、鳥大大学院で教科教育について学ぶ。
1996年、第51回行動美術協会展に初入選。
2002年、行動美術新人選抜展に出品。鳥取大学大学院で学芸員資格取得。
2006年、県教育センター勤務。
2007年、行動賞を受賞、会員推挙。前田寛治大賞展の佳作3席。
2008年、損保ジャパン美術財団選抜奨励展に出品。故郷用瀬にひな祭りを題材に、少女たちの微妙な心の壁を探る作品など製作。

過去の文化講座