文化講座

第20回「人と自然」 角 護 氏

2014-11-14

⼈も⾵景の⼀部、⼈と⾃然が融合した景観を描き続けたい

[洋画家]⾓ 護 氏

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 平成26年11月14日午後6時30分からサルーテで第20回『楽しく真剣!「サルーテ文化講座」』が開催されました。司会の角秋勝治氏の講師紹介を経て、洋画家・角護氏の講演がスタート。出足は、学生時代の話から。自分は絵を描くことが上手ではなかった。それ故上手な人に追いつこうと一生懸命描いた。自作の画像を投影しながら、多くの聴講者の前で、熱く・にこやかにお話をされました。参加者は55名。

 「油絵を描き始めて50年になる。自分は絵を描くことが上手ではなかった。それ故上手い人に追いつこうと一生懸命描いた。高校生の時、図工の先生に面白い絵だと言われ、上手でなくても面白ければいいんだと感じた。不器用な自分だから修練に時間を費やした。そして良き仲間や・先輩・家族に支えられ今日まで続けられた。
 角さんは、作品の見方、感じ方は観る側に委ねる。発表した作品は、自立し作家が意図した所と鑑賞者が受け止めるものとは一致しないこともある。従って作品完成後は観る人が主役になる。自由な発想で見てもらいたいと思っている。」と今までを振り返りながら改めて絵に対する思いを述べられた。
 その後スライドで48枚の作品を一枚ずつ解説。当初の県展や行動展の出品作品は、自分が生まれ育った記憶と共に、漁夫や魚商人の老婆などの題材が続く。
仕事をしながら絵を描き続けた時代で、時間の無い中、生まれ育った環境から感じたモノをそのままキャンパスにぶつけた。
wetで、対象との接触感のある作品に仕上がっている。これに対し、絵に専念した1994年以降は、自分の体の病気や肉体の限界、様々な自然災害や人的事件を通して、人の一生を海に置き換えながらdryに、あるいは少し引いた目線で観念的に描かれている。歳を重ねるとともに、人は自然の前で如何に無力か、抗うことなく自然とともに生きるべきだとの人生観に変って行く様が作品を通して読み取れた。
 最後に、「人も風景の一部であり、人と自然が融合したLandscapeを今後も描き続けたい。」と結ばれた。

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講師の⾓ 護 氏

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発表した作品は⾃⽴し、作家が意図した処と鑑賞者が受け⽌めるものとは必ずしも⼀致しない可能性あり

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油絵を描き始めて50年になる。絵を描くことが上⼿ではなかった。それ故⼈に追いつこうと⼀⽣懸命描いた

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独⾃性を発揮するためには、確かな技術表現を持って精進しなければならない

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⼈は⾃然の前で如何に無⼒か、抗うことなく⾃然とともに⽣きるべきだとの⼈⽣観に変って⾏った


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⼈も⾵景の⼀部であり、⼈と⾃然が融合した景観を今後も描き続けたい

■⾓ 護 氏のプロフィール

  • 1943年、境港市生まれ。1965年、米子商業デザイン研究所卒。1973年、県展初入選、以後県展賞3回受賞。1974年、行動展・全開西行動展に初入選、以後同展を中心に活躍。
  • 1980年、行動展奨励賞で会友推挙。1987年、京都府知事賞。1988年、都道府県選抜全国ホープ画家洋画展出品。1990年、行動美術協会会員推挙。2001年から東京・ジュネーズ展出品。
  • 2002年、鳥取ミストラル結成、以後5回開く。2006年、彫刻家・石谷孝二と県企画の郷土作家展「海と、空と」開催。2007年ヴュVeu展結成、現在に至る。
  • 2011年、県文化功労賞受賞。県内外で個展、グループ展を積極的に開く。代表作は『漁夫』『魚商人』『乾いた海』『違い日に』など連作。

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